EDIROL R-1

EDIROL (Roland) よりコンパクトフラッシュ(CF)に音を録音する機材が発表されました。

外観および仕様:

http://www.roland.co.jp/products/dtm/R-1.html

を参照ください。(Q&A に ROLAND が動作確認を行ったCFのリストがあります)



動作が確認されているCF:

ネット上の情報&当方の試験によると、動作が確認されているCFは次の通りです。1GB未満のものは実用性が無いため参考程度に。

特に明記がない場合は、録音フォーマットは WAVE 44.1KHz 24bit で試験してあります。試験項目は、メディアフォーマット、録音、再生、早送り・巻き戻し です。

ここに書かれているからといって動作が保証されるわけではないため、判断は自己責任でお願いします。CFにはファームウェアバージョンがあり、同じ型番でも若干仕様が異なったりします。

CFにはいろいろなメーカーがありますが、CFの開発元は Sandisk です。Sandisk を買っておけば間違いはないでしょう。

EDIROL R-1で動作が確認されている CF

外観図

名称
転送スピードの遅い sandisk 2GB

SDCFB-2048-J60

ネット上の情報。試験録音フォーマットは不明。おそらく WAVE
PQI 40倍速 1GB

QCF40-1G

ネット上の情報。試験録音フォーマットは不明。おそらく WAVE
IO DATA CF40-1G
TDK 1GB
Renesas 1GB
LEXAR 40倍速 512MB
Sandisk Ultra II 256MB
Sandisk Extreme III 1GB
I-O DATA CFX-1G 1GB
Sandisk Ultra II 2GB

SDCFH-2048-901

当方所持のメディア。


動作に問題が確認されているCF:

動作に問題が確認されている CF は次の通りです。

問題が確認されている CF

外観図

名称

問題の症状
トラセンド(Transcend) 45倍 2GB

ネット上の情報。
・フォーマットはOKも、以下の症状
(1) 録音開始されない
(2) 録音開始されても、終了後NoSong(つまり録音されて無い)と表示。
BUFFALO RCF-G 1GB フォーマットOKも、録音可能時間がなぜか7秒と表示される。

(1) 録音を開始すると、すぐに停止する。
(2) 録音開始されても、終了後NoSong(つまり録音されて無い)と表示。
HITACHI Microdrive 4GB

説明書にMicrodriveは動作しませんと明記されていますが、試してみました。

電池駆動の時:
 R-1 が一瞬起動するも、リセットがかかって
起動→リセット→起動→リセット を繰り返す。

Microdrive の音を聞く限り、スピンアップの電力が足りなくて
おかしくなっている模様。

添付ACアダプタ駆動の時:
 正常に使用可能。FAT32でも録音、再生はできます。録音可能時間の表示も正常です。
 PCにファイルを転送しても、正常に再生できました。


番外編
I-O DATA CFSD-ADP

SD を CF に変換するアダプタ
問題なく使用可能
SONY MSAC-MCF1

Memory Stick Duo を CF に変換するアダプタ
メディアを認識するものの、録音するとカウンタが2秒間で1秒増える奇怪な現象が発生。

録音、再生は一応問題なくできる。
FUJIFILM DPC-CFP

xD Picture Card を CF に変換するアダプタ

全くメディアを認識できない。
動作NG。



レベルメーターの■の表示個数と録音される音のレベル(dBL) の関係:

録音中に表示されるレベルメータ(LV)の ■の個数と、録音される音のレベルとの関係は以下の通りです。
レベルメーターは1chのみで、L ch と R ch がミックスされてレベル表示されます。
 入力された音と、レベルメーターの表示は、0.2〜0.4 秒くらい遅れて表示されます。ピーク表示が無いのが残念。


ファームウェア Version 1.03 のレベルメーター (-50.0[dBL] 〜 0.0[dBL])

ファームウェア Version 1.02 のレベルメーター (-23.5[dBL 〜 0.0[dBL])





プラグインパワーについて:
 R-1 はプラグインパワーに対応しています。説明書には、2[V] の電圧が出力されると書かれています。実際の計測値は、電池駆動時に次の通りとなりました。プラグインパワーは、録音している時のみ出力されます。09: Input Monitor を ON にすると常時出力されます。(MIC TYPEスイッチをCND, コンデンサマイクに設定した場合)

L ch:2.16 [V]
R ch:2.16 [V]



録音開始時に発生する超低周波ノイズについて:
 録音を開始すると、先頭の10秒くらいに超低周波のノイズがのることがあります。波形の先頭を除くときれいな exponential-curv ( V=V0 exp(-rt) ) を描いているため、おそらくカップリングコンデンサの過渡応答と思われます。
この現象は、発生する時としない時があり、発生は確率的です。この現象が発生すると、先頭の10秒程度は音として使いものになりません。
 マイク入力、ライン入力、マイク入力のゲインに関わらず、この超低周波ノイズは発生します。

 波形画像を見る




mp3 のLPFについて:
 mp3のビットレートにかかわらず、16KHz のLPF(Low-Pass-Filter)が必ずかかります。そのため、mp3モードでは16KHz以上の音は録音されません。



EIN (入力換算雑音について):

1kΩ ライン入力 ボリューム位置によらず -87.8dBFS
1kΩ マイク入力 ボリューム0 -87.8dBFS
1kΩ マイク入力 ボリュームMAX -74.4dBFS
入力換算ノイズ -114.4dBu
※いずれもA補正無し(A補正をすると、おおよそ1.5dB程度良くなる)

ボリュームMAX時のゲイン
ライン入力 -10dBu = 0dBFS
マイク入力 -40dBu = 0dBFS

マイク入力はボリューム位置によらず-28dBuでクリップする (つまり、適切なボリューム調整範囲が12dBしかない)

これは、ハードウェアの構成が

入力信号 → ゲイン固定ヘッドアンプ → 入力レベルボリューム → A/D

となっているためです。いくら入力レベルボリュームをしぼっても、ゲイン固定ヘッドアンプがクリップしてしまっては元も子もありません。

ロットによるへッドアンプゲインの違いについて



LCD の視野角が狭い問題:
 "見やすさ" の判断は当方の私感によるところが大きいので参考程度にしてほしいのですが、LCDの視野角は次のような感じです。ただし、光の入射方向によって見やすい範囲が大きく変わります。偏光板の配置が変なのか、もしくは屋外向けに調整されているのかもしれません。


録音されたファイルについて:
 CFをフォーマット後に wave 3つと mp3 3つを録音し、コンピュータに接続した画面を次に示します。時計を内蔵していないため、ファイルを作成した日時は 2002/01/01 12:00 固定となります。また、時々中が空の tmp という名前のフォルダが作成されます。(Version1.03のファームウェアより、tmpフォルダは作成されなくなりました)
 コンピュータに R-1 を接続したときの使い勝手は、USB メモリと同じです。高速にファイルを転送できますし、非常に使いやすいです。





MicroDrive は使用可能か:
 R-1 のCFコネクタは TypeII です。そのため、物理的に MicroDrive を挿入することができます。しかし、説明書には MicroDrive は非対応と明記されています。実際に動作させると、電池駆動では給電パワーが足りず、動作がおかしくなってしまうようです。製品に添付される AC アダプターで動作させると、うまく動いたという報告があります。



2GB を超えるCFは使用可能か:
 とりあえず録音・再生はできます。しかし、説明書に書かれていることを大まかに訳すと、

「2GBまでのCFをサポートします。大容量のCFを用いて2GBを超えて録音すると、録音されたファイルは保存されません。また、ディスク領域が録音された分減ります。その際は、CFをフォーマットし直してください。」

とあります。
 おそらく録音したファイルサイズが 2GB を超えると、処理できずにおかしくなってしまうのでしょう。ちょっとバグくさい雰囲気がしますが、発売元は『仕様』と言い切っているのであきらめましょう。



R-1をmp3プレイヤーとして使えるか:
 電車で旅に逝くにはmp3プレイヤーが欠かせない。行きにmp3プレイヤーとして使い、帰りに生録用として使えれば利用範囲も広がるというもの。ということで、いきなりこんな事言い出していいのかわかりませんが、R-1をmp3プレイヤーとして使えるのか?について少し考えてみました。
 
 再生モードについて:
  Sequential (連続再生)
  Single (一つのみ再生)
  Shuffle (ランダム再生)

 3つの再生モードがあり、とりあえず問題なし。

 ファイル名について:
  英語のファイル名については、ロングファイルネームも問題なく表示されます。ファイル名が長くて画面からはみ出す場合には、ファイル名がスクロールして全体が表示されます。日本語のファイル名の場合、文字にかかわらず _MBC000.mp3, _MBC001.mp3 のように表示されます。日本語のファイル名は、再生はできますがファイル名が正しく表示されません。mp3 IDタグはあっても無くても無視されます。

 電池の持ち:
  公称連続再生時間は5.5時間となっています。電池が切れても、単三なので替えの心配はいらないでしょう。(ニッケル水素 2500[mAh]で3時間程度なら連続録音・再生可能)

ということで、とりあえず聞くだけならmp3プレイヤーとしても使えそうな感じです。



その他確認されている問題:

・VALUE ダイアルが取れやすい

 当方所持のR-1でも確認しました。ちょっと取れやすいかなぁ?という感じはしますが実用上は問題ないと思います。私の R-1 では、床に1m位の高さから落下させないと取れないくらいの強度はありました。ただし、個体差があるようなので注意。

・INPUT LEVEL(入力レベルボリューム) に数字がない
 現在の入力レベルの設定がわからない。入力レベルを調節するには、一度入力レベルを最大もしくは最小に戻してから、調整する必要があります。ちょっと面倒。

→ 指で一回分入力レベルを下げると、約 -12[dB] 下がります。それ以上下げても、ヘッドアンプでクリップするため入力レベルを下げる意味がありません。

・レベルメータ(LV)の表示が面倒
 録音中にレベルメータを表示するには、DISPLAY ボタンを3回押す必要がある。(DISPLAYボタンを押すと、録音時間→録音残り時間→録音フォーマット→レベルメータ→はじめに戻る と変化する。)

また、録音を一時停止すると、レベルメータを表示するには再度DISPLAY ボタンを3回押す必要がある。

録音中の LCD は、録音ファイル名と録音時間の表示のためだけにあるといってもよいぐらい。レベルメータなんぞ out of 眼中か。

・再生時における早送り、巻き戻しの時間変化が遅い

ファームウェア Version 1.03 の場合:
 早送り、巻き戻し中に再生される音が再生されなくなりました。
 早送りの場合、早送りボタンを一秒押すと約10秒間早送りすることができる。
 巻き戻しの場合、巻き戻しボタンを一秒押すと約10秒間巻き戻すことができる。
 実質、長いトラックの途中から再生する手段が無い。あまり Version 1.02 のファームウェアと変わっていません。



ファームウェア Version 1.02 の場合:

 早送りの場合、早送りボタンを一秒押すと約8秒間早送りすることができる。一時間先の音を再生しようとした場合、60分÷8=7.5分もの間早送りボタンを押し続けなければならない。実質、長いトラックの途中から再生する手段が無い。

 巻き戻しの場合、全体的に時間の動きがぎこちなく、巻き戻しボタンを一秒押すと約3〜5秒程度巻き戻すことができる。

再生時は、VALUE ダイアルが使われていないので、この問題はファームウェアで改善することができるだろう。(操作方法を変えるとマニュアルの変更が必要になるので、改善は期待しない方がよい)




リンク


EDIROL R-1の分解と改造

Fix EDIROL R-1 Wave - 録音中に EDIROL R-1 の電源が落ちて録音ファイルが壊れた場合に、ファイルを修復することができるソフトウェア (宣伝かも)